「カードゲームの対戦シーン。その見えざるノウハウ」 第二回・「その場所に立ちたい!」と魂(スピリッツ)を震わせる灼熱の舞台!バトルスピリッツ!(と、デュエルマスターズ)」

  • 2018.01.04 Thursday
  • 13:42

 

カードゲームアニメの対戦シーンについて、作品ごとに違うノウハウを解説させて頂く当シリーズ。

前回は、カードゲーム対戦の楽しさを、視覚的に世界に広めた偉大なる作品、遊戯王の数々の発明についてご説明致しました。

 

今回はバトスピとデュエマです!


さて、当シリーズをお読みいただくにあたって、今更ではありますが、

「当シリーズ記事での大切な価値観、視点」

について、要点を抑えておきましょう。

ひとつ。

「カードゲームアニメとは、玩具販促アニメである。」

ひとつ。

「玩具販促アニメである以上、カードを『欲しい』と思ってもらえるよう、創意工夫を凝らし、演出されている事が正義である。」

という視点。これを意識して、お読みいただければ幸いです。


カードゲームアニメの魅力と言っても、キャラクターの魅力、ストーリーや世界観の魅力など、色々な側面があります。

が、当シリーズでは、

「他の要素の評価はガン無視」

し、

「カードを魅せる為の創意工夫についてのみ研究し、評価するもの」

とします。

それはそれ、これはこれ、ですよね。

 

よって皆さん。ご自分の好きな作品についても、あくまで妙なバイアスを掛けず、

「販促アニメとして正しいか、どうか」

という視点でお読み頂けますよう、宜しくお願い致します。


それでは、第二回を始めましょう。

 

★遊戯の次は、デュエマでは?

さて。

当ブログでは、カードゲームアニメの対戦シーンについてのノウハウを語る、という事で、今後順を追って、デュエルマスターズ、バトスピ、ヴァンガード、ウィクロス……等々の対戦シーンについてご説明させて頂く予定です。

「対戦シーンのノウハウ」についてご理解を深めていただいた上で、最後には、僕が原作を務め、2019年にアニメ公開予定となる、『ドミネイター』での対戦シーンの描き方について、構想をお伝えしたいと予定しています。

ドミネイターの対戦シーンは……かなり画期的です!

しかしそれもこれも、先達であるカードゲームアニメのノウハウがあってこそのもの。

最初からズドン!とドミネイターについてお伝えしても、何がどう面白そうなのか、伝わりにくいでしょう。

そんな訳で、お楽しみは最後となりますが、どうか最後までお付き合い下さい。


前回は遊戯王でしたので、順番で言えば、次はデュエル・マスターズの対戦シーンについてご説明することになりますが……

理由があって、先にバトスピについて語らせていただきます。

本当は遊戯王についても、まだ……対戦スタイルについては「番外」と云うべき作品、『遊戯王5D's』について語りたいのですが!

5D'sは、「カードゲームの対戦シーン」としても、かなり特異な形でも有るので……(皆様ご存知の通り……本当にそうかな?!)

これもまた、他のアニメでの対戦の描き方について、一通り解説して、皆様に「常識」をご承知頂いた上で、それをぶっ壊した面白さについて、膝を打って頂く予定です。


さて、そんな訳で、まずはバトスピ。

バトスピは、

「デュエルディスクで、いつでも、どこでもデュエル!」

というスタイルではなく、テーブルに付いて、バトルフィールドを挟み、相手と対戦するスタイルのアニメです。

 

いってみれば遊戯王の「デュエリストキングダム編」から進歩していないように見えるのですが……? 

もちろん、バトスピならではのノウハウがあります。

それでは皆さんご一緒に!

ゲートオープン!界放!!


注・バトスピをご存じない方は、此処から先わかりにくいと思うので、ぜひ一度、この動画の11:20から、五分間だけで結構ですので御覧ください。

超!格好良いですよ!

 

https://www.youtube.com/watch?v=R4rVYXq_1vI

 

★「その場所に立ちたい!」と魂(スピリッツ)を震わせる舞台設定!灼熱の「バトル」ゾーン!これがバトスピだ!!

作品ごとに主人公が変わる「仮面ライダーや戦隊モノ、プリキュアのスタイル」のバトスピですが、対戦シーンは基本的に変わりません。

どの作品も、

「ゲートオープン、界放!」

の言葉とともに、対戦者二人はバトルフィールド(大体は異次元のバトルゾーン)へと移動、あるいは異空間に包まれます。

 

ご覧の通り、対戦相手との間は大きく開いています。

このように「バトルフィールドを挟んで立つ」というタイプのバトスピですが、要はこのスタイルは、

「剣闘士同士を戦わせる、コロシアムにオーナーとして立ち、指示や応援をするスタイル」

と言えます。つまり、構図的には、理解しやすいもの。

理解しやすい=、受け入れやすい、ですね。なのでこれはこれで、「正解」だと思います。

 

何より、このバトルフィールド次第がかなり格好良く作られていて、ギミックも多く、第一作目では、バトルフィールドが作られていく過程まで懇切丁寧に描かれます。(しつこいぐらい)

 

スタッフが、「この舞台に憧れて欲しい!」と、拘りやイデオロギーを持って、作品作りに挑んだ姿が見て取れます。

 

現実には、こんなに距離があると、相手の「場」が見えませんが、モンスターがバトルフィールドに実体化して出現しているので、最低限の情報は見えるのでしょう。

 

が、相手のコアがどう置かれているか、相手の手札は残り何枚なのか、そもそもモンスターの効果や能力は見ることが出来ません。

なので本当ならデジタル的に「相手の場の情報」が手元に表示されてほしいですね。

(もしかするとそういうシーンも有ったのかもしれませんが、全作品であった訳では無い?)


ごっこ遊びには、再現性が必要。こんなに広大なバトルフィールドは用意できませんし、立体映像も出せはしませんが、「あのテーブル」は現実に用意することが出来ますし、実際に近いものが作られています。

 


これは結構、再現性が高い。憧れられる。

「ごっこ遊びのツール」

として、中々に「解っている」仕様となっています。

しかしながら、キャラクターが「立ってテーブルについてプレイする」というスタイルは、遊戯王のデュエルディスクほど自由にポージングをとったり、派手にドローしたりすることは出来ません。



バトスピにはこの点、どうしても限度がありますが、スタッフも無為無策ではありませんでした。

第一作は普通のテーブルだったものが、二作目以降は、透明な素材のテーブルになったのです。



これにより、キャラクターたちの表情を描きやすい「アオリ」の視点を、テーブル越しに作ることが出来ました。

アオリの視点から、カードを見つめて苦悩、あるいはニヤリと嗤うキャラクターの表情を描けるのは、バトスピのみに許された格好良すぎる構図です。

 

僕自身クリエイターとして、こういう「工夫」を大きく評価します。

とにかく、「カードをプレイしている行動」そのものを格好良く描こうと常に考えていなければ、こうしたアイディアは出てきません。

ただ、カードをプレイしている姿を描くだけでは駄目なのです。「格好良く」なければ。否、「恰好良過ぎ」でなければ!

 

その点、バトスピのスタッフには、

「何とかして対戦シーンを格好良く描きたい!」

という意気が感じられます。

ホビーアニメは、「そのホビーに対してのリスペクト」が無いと、名作を作ることは出来ないのです。

バトスピのアニメスタッフは、その点で信頼できるスタッフなのではないでしょうか。

 

その後、バトスピは、基本的にこの「バトルフィールドを挟み、テーブルについて立って戦う」というスタイルを踏襲しつつも、様々なギミックを試行錯誤していきます。

 

「覇王」ではこう。基本的に変わりません。

 

しかしソードアイズで、ちょっと余計なことをしてやらかしました。

 

「ソードアイズ」では、剣を模したサーフボードの・ようなものに乗り、机はタブレットのような形になります。

 

これは正直、イケてなかった。

 

恐らく、プレイヤーを自由に移動させ、切り札モンスターとのツーショットを作り上げ、

「共に戦っている」

というイメージを作りたかったのでしょうが、

「一緒についていく理由がない。」

「ライフで受ける時に、自分から前進するのがアホに見える」

等、色々と無理がありました。

 

気持ちは分かるんですよ。ポケモンや遊戯王を見ていると、プレイヤーに

「命令するだけじゃなくて、お前が戦えよ!」

と、思いますからね。

 

そういう所が嫌で、僕は「自分も武器を持って、モンスターと戦う」という構図のバディファイトを作ったんですから……

しかしそういった「共に戦う」は、ゲームのルールそのものが、元々「そう」でないと描けないんですよ……

 

アニメ化前提のカードゲームは、本当は元々、「映像化前提のルール」で作らなければならないんです。

(それが出来ているのは今の所、厳密には遊戯王とバディファイトだけです)

 

「究極ゼロ」ではこうなりました。

「変身すると、乗り物が出来る」

という仕様ですね。

 

「烈火魂」はこの「乗り物」をスペシャルにして、「S級バトラーのみが持つ、特別なバトルマシーン」となっています。

これはこれで、「S級バトラー」の格付けに貢献する演出です。

 

ちなみに最終作、「ダブルドライブ」は、

「バトスピの良いところを全部なくして完全に劣化している。」

と判断しているので、ここでは語りません。


★壮絶なモンスターバトルシーン!実は貴重?!

バトスピのバトルシーンで僕が評価しているポイントの一つは、

「切り札級のモンスター同士が戦闘する時、一方的にあっさりやられない」

という所です。

攻撃力5000のモンスターが3000のモンスターに攻撃した場合、TCG的には、3000の方があっさりやられるだけなんですが、バトスピではその「結果のわかっているバトル」を、実に丁寧に描くんですね。


この、一見意味のないシーンが、カードゲームマニア以外の、普通の人が楽しめる「大怪獣バトルシーン」として、エンターティメントになっているんです。

今日では僕達も、ドラゴンやフェニックス、ゴルゴンやオーガー……色んなファンタジーモンスターの「イラスト」は見慣れていますが、実際にそうしたモンスター同士がバトルするシーンは、実はあんまり見る機会がありません。
(人間とモンスターではなく、モンスター同士のバトル)

バトスピの戦闘シーンでは、スタイリッシュなモンスター同士が、ド派手なCGバトルを繰り広げるシーンを、存分に楽しむことが出来ます。

こうした、

「TCGそのものの魅力とは、別のエンタメ性」

を盛り込んでいるが故に、バトスピは、カードゲームファン以外の人達にも「これは一体、どういう作品だ?!」と注目させるポイントを持っているのですね。

事実バトスピは、

「それまで、カードゲームを一切触ったことの無かったお父さん」

を沢山巻き込んだTCGとして有名です。

ニチアサという時間帯は、「親子でテレビを見る時間」としても確立されており、バトスピが、

「マニアックで難しいカードゲームアニメ」

だったとしたら、お父さんの興味も全く引かなかったであろう所に、「大怪獣バトルシーン」を盛り込んだアイディアは、慧眼であったと言えるでしょう。

ほら……ムシキングとか、アニマルカイザーとか、筐体型カードゲームのバトルシーンって、ものすごく派手じゃないですか。地球が割れたり。

ああいうのって、需要あるんですよ。

ああ、宝具演出ね。近い。(スキップできない)


★ここでデュエマを見ていただきましょう。

さて、突然ですが、バトスピについて理解していただいた上で、デュエマのデュエルシーンを御覧いただきましょう。


どうでしょう……なぜデュエマの順番をすっ飛ばして、バトスピを先にご紹介したのか。勘の良い方は、もうお解りなのではないでしょうか。


デュエマは、バトスピと同じく、テーブルを挟んでプレイするスタイルです。

ええ……デュエマはギャグアニメです。それは解っています。

なぜ突然テーブルが出てくるのか?!そこに突っ込むのは、野暮というものでしょう。



しかしこれ、格好良いですか?ギャグアニメとは言え、デュエマは「でんじゃらすじーさん」の様な、全編ギャグアニメではありません。

格好よく描くべきところは格好良く描く、そして何より、「カードゲーム販促アニメ」です。


デュエマでもね、漫画の、立ってデュエルしてた頃はカッコよかったんですよ。



ですがこれは結局、遊戯王のスタイルですし、デュエルディスクが無い分、工夫が足りていませんでした。

 

僕はデュエマは大好きですが、当コラムで評価すべきは「販促アニメとして優れているかどうか」です。

 

デュエマの対戦シーンは、格好良くない。

 

そして、バトスピと同じくテーブルを使っているにしても、テーブル自体を格好良くデザインするとか、透明な素材にして構図に凝ってみるとか、そうした創意工夫が感じられない。

 

ある意味、「河原だろうがトイレだろうが、突然テーブルが出て来る」というギャグで許される状況に満足してしまい、そこから先の「対戦シーン、こうあるべき」というイデオロギー、演出上の拘りを、「放棄している」ように伺える。

「子供達が真似できるよう、実際に再現可能なように、そこら辺に有るようなテーブルにした」

と言えば、成る程、ごっこ遊びとは再現性とみつけたり、それは正義!という考え方も出来るのですが、実はそれも無理がある。

だって、こんなに大きなテーブル2つを向かい合わせてプレイしても……相手のカードみえないし、触れないじゃん。

(触るのが正しいかどうかの厳密な話はここではしない)


しかしこれは、昔の話。デュエマは、ある時期から「吹っ切れ」ました。

 

ギャグアニメだからこそ出来る演出で、どんどん派手で笑える演出にシフトしていったのです。

(画像は、地面からカードをドローする主人公)

 

デュエルの舞台は、いつのまにやら、バトスピの様な「異次元のバトルフィールド」に突入するようになり、「テーブルに着かず、立ってデュエル」していながら、

「テーブルは見えないけど、どこかに有る」

という、開き直ったスタイル。

 

整合性と再現性をかなぐり捨てた、イメージ優先、ギャグアニメだからこそ出来る、滅茶苦茶な演出で、有無を言わせません。

 

そこではもう……キャラクターは宇宙から降ってくるわ、地面ひっぺがしてドローするわ、やりたい放題です。

これこそが、

「デュエマが行き着いたデュエルシーン」

なのでしょう。

 

が、これは「ギャグ漫画として正しい」のであって、カードゲームのプレイに憧れてもらうための販促アニメとして正しいのかどうか、僕には少し疑問です。

 

だってこの演出の面白さって、結局のところ、カードゲーム関係ないじゃないですか。(笑)

カードゲームをプレイしている姿、そのものに憧れを持たせた「遊戯王」、ゼロから価値を作り出した作品とは、やはり格が違うと言わざるを得ません。

 

デュエマのアニメは、面白い。

 

だけどその面白さは、ギャグアニメとしてのクオリティであって、カードゲームアニメとして優れているのとは、ちょっと違うと思うのです。

しかし、それで売れているのであれば、「正義」と考えるのもOKでしょう。ですが、それを解説するならば、「ギャグ漫画はどう有るべき」という話になるので、「カードゲームの見せ方」という当コラムの分析からは、外れてしまうんですね。

 

なのでデュエマについては、このぐらいにしておきましょう。


最後に。

予断ですが、デュエマは最初、「シールドが全部ブレイクされたほうが負け」というルールだったものを、大先生が、

「最後はやはり、プレイヤーが攻撃を受けて吹っ飛ばないと、漫画としての絵面にならない。」

と意見を出し、現行のルールになったと聞きます。

この大先生の意見は、全面的に正しい。

しかしこうしたルールが、後で付け足されるということは、そもそもルールを作っている時点での、

「どうやって描くと、よりかっこよくなるか」

という煮詰め方が、デュエマでは足りていなかった、と考えられるのです。

 

まあ、古いコンテンツですからね……


★惜しすぎる!バトスピ

最初にお話しましたが、バトスピは、他のカードゲームアニメと違い、基本的に毎年主人公と世界観が変わります。(例外は二作目と三作目)

要するにこれは、バンダイさんの他のシリーズ物、仮面ライダーや戦隊モノ、プリキュアと同じスタイルですね。

このスタイルの利点は、

「毎年物語やキャラクターがリセットされることで、新しいファンが入ってくる」

という事です。

反面、「毎年、やめるキッカケがある。」という事ですが、これはつまり、

「アニメは、あくまでカードゲームを始めてもらう為のキッカケであり、カードゲームさえ続けてもらえるなら、ずっとアニメを見てもらう必要はない。」

という判断でしょう。

これはこれで間違ってはいません。キャラクターコンテンツホルダーの雄、バンダイですから、はっきりしたビジョンがあっての選択でしょう。

 

しかし結果としてバトスピは、遊戯王のみならずデュエマの売上にも全く届かず……

雑紙媒体が弱いのか?と言えば、後続のヴァンガードにも売上で抜かれている以上、

「このやり方が正しかったか?」

と言われると、

「これで問題なかった」

とは断言できない結果を出していると思います。


歴史的な話をしますと、バトスピは、「三匹目のドジョウ」です。

僕は10数年前、

「遊戯王とデュエル・マスターズ、他のカードゲームを差し置いて、ぶっちぎりで受けているカードゲームの共通点は、
『カードゲームをプレイしている主人公が居ること』だ。」

と発言していました。
(今では、何言ってんだ当たり前だろ、と言われそうですが、実は僕のこの話から、ある有名なTCGアニメが生まれたりもたんですよ……!バディではなくて。何のことなのか言えませんが。)

 

バンダイは当時、遊戯やDMを打倒すべく様々なTCGを出しましたが(「レジェンズ」やら「ドラゴンドライブ」やら…)、全て失敗してきました。

そして「やっと」、やっとですよ?!遊戯やDMと同じく、「TCGプレイヤーが主人公の、TCGアニメ」を作ったのです。それがバトスピ。

 

バトスピのヒットは、僕からすれば「当然」のものに見えました。(遊戯やDMに勝てなくても、ヒットはヒットです。何年も続いていますし。)

 

しかし惜しいかな……バトスピは、最も調子の良いときでも、売り上げはデュエマの三分の一以下。トータルして、遊戯王の十分の一に満たない市場規模しか取れませんでした。

 

遊戯とDMが先行していたから?

 

否。何しろバトスピは、後続のヴァンガードや、僭越なから僕が原作を務めた「バディファイト」にも抜かれているのです。

なぜでしょう?

バディはコロコロコミックという強力な後押しがあったから当然だとして、どうして、強力な雑誌媒体を持たないヴァンガードにまで?

僕はその理由は、

「そもそもバトスピは、アニメ化するには難しすぎるTCGだったから」

だと考えています。

 

バトスピのゲーム性については、否定しません。

 

しかし、「アニメとして描くことを前提にすれば、正しいゲームだったか?」というと、決してそうではないと思うのです。

 

事実バトスピのアニメは、最初の頃、

「バトルシーンが始まって、いきなり24ターン目に話が飛ぶ」

などという「ゲームを描かない」演出が頻出しました。

 

もしもバトスピの棋譜を、懇切丁寧にアニメで描くとなると、おそらくは一時間あっても足りないんです。

つまりこれは、「出来ないから、仕方なくこうなった」という事で、

「元々バトスピは、アニメとして描くには無理ゲー」

というカードゲームなのです。

 

僕は色んなカードゲームの動画を作ってきましたが、バトスピは要望も多かったにもかかわらず、ずっと断り続けてきました。

 

バトスピは、ルールや行程が煩雑なだけでなく、「コアの移動」による自由度が高すぎるため、見ている人からも

「あれっ?なんで?俺ならこうするのに?!」

という「疑問」が湧きやすく、集中してゲームの流れを追うことが出来ないのです。(難しい話なんですが、お解りでしょうか?)

 

この、本質的な「映像化に向いていない」という、素材的な難しさは、バトスピという商品の「弱点」と断言出来るでしょう。

繰り返しますが、魅せにくい、と断言しているだけで、ゲーム性は否定していません。


子供用TCGとしては難しく、そして、販促アニメでも子供達に「伝えにくい」。

裏を返せばその欠点は、ある程度難しいものを理解できる年齢の人にとっては、問題にならない欠点だと言えます。


だから!バトルスピリッツでは、『ブレイブ』が最も人気なんですよ!

 

(ブレイブは、アニメの内容が非常にハードで、当時最も大人向けのカードゲームアニメと言われていました。まあ正直、僕「今」一番売れるカードゲームアニメの方向性は、これだと思いますよ?!)

 

伝え聞いた話ではバトスピは、

「本当は、遊戯王で育ったTCG世代が、深夜アニメを見る年令になったので、高校生以上に向けて作った企画なのではないか」

という説があります。

しかしたまたま、ニチアサが取れてしまったので、子供向けコンテンツとして軌道修正した……という経緯があったと。


だとしたら、色々と納得の行く話ではあります。

「一応のヒット」となり、何作ものアニメが作られた「バトスピ」ですが、もしも最初から、あるいは途中からでも、

「完全に高校生以上向けの、アダルトなカードゲームアニメ」

として作られていたら……!!

それはそれで、どんなに魅力的なアニメになっていたか。


予断ですが、僕がずっと温めていた企画も正にそれで、バディファイト以前から、

「大人向けTCGアニメを作れば売れるのでは?!」

と考えていました。

僕が思いつく、10年前にバトスピは同様の企画を思いついていたのかもしれないのです。

バトスピの原作者と企画者は、相当のキレ者であったのだろうな、と思う次第です。


さて、次回は、「イメージで全て解決!コロンブスの卵、ヴァンガード」です!

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