女性カードゲーマーが気軽に楽しめる環境を目指して・第一回 僕の過去の失敗

  • 2015.09.02 Wednesday
  • 21:47
2日夜に投稿した僕のツイッターコメント、

「男性との対戦が苦手な女性カードユーザーが、大会等で不快な思いをする事を『根本的に』解決するには、どうすればいいか」

「そもそも、女性ユーザーが楽しめるTCGの環境とは、どういうものか」

という設問に、多くの方の反響を頂いています。
リプライだけで、300以上(もっとありますが、数えきれていません)。全て読ませて頂いています。

ですが、取りまとめるのに時間がかかっており、皆様の意見を反映したブログ記事を発表するには、もう少し掛かりそうです。

なので今回は、このテーマに関した、僕の昔の失敗談を、お話したいと思います。

ご意見を下さった皆様、もう少しお待ちください。



十数年前。

僕が経営していた徳島のカードショップで、あるカードゲームの大会が行われていました。

このカードゲームは、元々は女性にも男性にも人気のあるコンテンツを原作に持つもので、僕の店では始めて、女性参加者を迎える事となりました。

女性ユーザーが大会に参加することは、十数年前では、とても珍しいことで、それ故にショップも、メーカーも、そして僕自身も、まったくノウハウが足りていない時期でした。

このゲームの大会を行っている店は、全国的にも少なかったらしく、僕の店で行われる月一度の大会には、毎回、奈良や大阪からもファンが集まりました。
メンバーはほとんど変わらず、女性三人、男性五人といった所です。

優勝者も殆ど、毎回同じ。ごく普通のガチ系カードゲーマーです。
彼は、そのコンテンツのファントークを楽しむ事はありませんでしたが、特に他人との諍いを起こす事もなく、ルールに詳しく、常識的な青年でした。

しかし、他に問題がありました。

毎回の参加者の中に一人、とても不潔な男性が居らしたのです。

不快になる方も居らっしゃるでしょうから、具体的表現は避けますが、少々、「異様」と言わざるを得ませんでした。

とは言え、お客様ですし、僕も若かったので(今なら丁重にお帰りいただきます)、具体的に問題や犯罪を犯していない人を、追い出すことは出来ませんでした。

しかし、何度か女性の方々から、

「どうにかなりませんか?」

とご相談を受けていた為、当人にも、

「こういうお話が出ているのですが、せめてもう少し清潔にして来て下さいませんか?」

とはお話させて頂きました。

相手は、曖昧に笑うだけで、残念ながら、何の善処もして下さいませんでした。

そんな感じで半年ぐらい経過し、女性プレイヤーさんも、彼とは距離を保ち、「慣れてくれたのかな」と僕が思っていたのが……間違いでした。

大会の途中、一人の女性ユーザーさんが、泣きだしたのです。

何が起こったかと聞くと、その不潔な彼が、対戦中、彼女のカードに勝手に触れたとの事。

目に見えるほどに、垢だらけの手で。

ああ皆さん、どうかここで、「そんな奴を大会に参加させてたのか、アホか池田は!」と言わないで下さい。

僕も経験不足でしたし、相談した各方面からも、「不潔だからといって、大会不参加には出来ないでしょう。」と言われていたのです。

今は反省しています。カードゲーム業界に、こういったユーザーに対するノウハウが足りていなかった(今も怪しい)のは事実ですが、僕に決断力があれば、避けられた悲劇だったのですから。

泣きじゃくる女性の友人たちから、事の経緯を聞いた限りでは、

「自分たちもそうだが、彼女は特に彼が苦手で、逃げても彼がいつも話しかけてくるので、ここに来るのも毎回、勇気がいることだった。」

「できるだけ接点は作りたくなかったが、対戦相手としてマッチングされてしまったからには、失礼のないように対戦しようと思った。しかし、自分のカードに触れられるのは耐えられないので、
『対戦中、疑問があれば、カードに触れずに、指し示して下さい。』
とお願いしていた。」

「なのに、無言でいきなりカードを取り上げられた。」

との事でした。

カードに触れた彼に、事実確認を行い、席から連れ出します。

僕「あなたには、何度か警告させて頂いたはずです。なのに善処して頂けていない。」

彼「してる、してるよー。」
(演出ではありません。こういう話し方です。)

僕「では、プライベートな質問ですが、必要なのでさせていただきます。
……いつお風呂に入りましたか?」

彼「関係ねー」

僕「関係あるんですよ!……仕方がありません。出て行って下さい。」

彼「嫌だ。」

僕「いえ、拒否権はありません。デュエルスペースは無料の遊び場ですが、当店に管理責任がある『公共の場』です。そこに居てよいかどうかは、こちらが判断します。出て行って下さい。」

玄関に追い詰められた彼は、「うわああ」と奇声を上げながら、僕の左足膝を蹴飛ばしました。

僕「……暴力ですね。貴方は出禁です。二度とこの店に来ないで下さい。」

彼「いいふらしてやる、この店の店長は悪いって、ネットで言いふらしてやる!」

僕「どうぞ、ご自由に。」


デュエルスペースに戻った僕は、場を取りまとめましたが、女性達は、

「すいません。大会の途中ですが、欠場させて下さい。」

とおっしゃいました。

当然だと思いました。気分的に、大会を続けることは出来なかったでしょう。

そのTCGの大会では、本来、参加賞プロモカードは、「最後まで参加していた人に配る」事になっていましたが、僕の判断で、その時点で皆さんに配布させて頂きました。お客さんたちは、皆納得してくださいました。
(しかし、メーカーの規約を破ったことにはなるので、後にメーカーさんには謝罪させて頂きました。)

このように、事件が起こってからは、できうる限りの手は打ちましたが、時すでに遅し。

次の月から、女性ユーザーの方々は、誰一人いらっしゃいませんでした。

「寂しくなったね。」

男性ユーザーの方たちは、それでも続く3ヶ月は参加して下さいましたが、やがては、優勝常連者の方、お一人になってしまいました。

今までの常識(とりあえず、大会に規定通り放り込んで、トラブルが起こってから対処する)に囚われ、
「予期して、新たに下さなければならない判断」
を後回しにした結果、どなたにも満足できるサービスを行うことが出来なかった。
ショップ経営者として、恥ずかしい失敗です。

これが、僕の昔の苦い経験です。もっと速く、もっと深く介入し、最悪の結果を回避することは出来たのではないか、と今も後悔しています。


時は流れ。

その後僕は、東京・秋葉原のゲーマーズさんの8階で、カードショップを営業する事になります。

そこでは、遊戯王などのメジャータイトルでも、多くの女性ユーザーが集まるようになり……

そこでのイベント経験から、ノウハウが積み上げられていくことになります。

次回は、2007年、ニコニコで遊戯王MADブームが巻き起こった、あの熱い夏の話に続きます。
 
コメント
一部の半裸のようなスリーブだけでも
なんとかなんないですか?
  • peco
  • 2015/09/03 7:20 PM
自分としては、他人のプレイを見るのが好き(勿論、プレイヤーとしてプレイするのも好きです)なので、大会等の口出し厳禁の場合ではなければ、横などでワイワイガヤガヤ(騒ぎすぎないようにはしますが)出来る店舗でカードの大会が出来てるので、そこに女性のプレイヤーさんも混ざる事が出来たら良いことだなとは思います。(実現は難しいでしょうが、自分は接客業やセールスの仕事をしていた経験があるので知らない人ともラフに話して多少強引かも知れませんが輪の中に入れてしまいます。人によっては嫌かもなとは思うのですが、輪の中に入れると多少なりともその空間に居やすくなればなと思いやってます。)
最近では、バディファイトの大会に子供達(小学生)が多く来るようになったので審判という形で大会に参加するようにしてます。勿論たまにはプレイヤーとして参加もしますが、基本はルールを教えながら楽しくカードが出来る環境を作ってあげられればなぁと思い、余計なお世話とは思いつつもお店の方にバディファイトの公式のルールを分かりやすく書いたものを渡してみたりしています。
最近はカードをプレイする人口も増えてるので、本当に楽しくプレイが出来る環境が増えると良いなと思います。
長文失礼しました。
  • 九十九
  • 2015/09/03 12:49 AM
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